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出戻り人材の9割が活躍!? 出戻り後に社員のパフォーマンスはどう変わるのか。

終身雇用・年功序列といった伝統的な雇用形態が崩れ、人材の流動性が高まっているなか、晴れて新卒で大企業に就職したのち、キャリアアップ・スキルアップのためスタートアップを含む別の企業への転職や起業をする気運が高まっている。

一方で転職を重ねる人々のうち、転職する先として、ファーストキャリアとして選んだ大企業に戻る、いわゆる「出戻り人材」も存在する。

一度大企業を退職した人材らは、同じ企業に再就職したあと活躍できるのだろうか。

出戻りを経験した103人に行った調査の結果、その9割が出戻り前に別の企業で働いて身に着けたスキルを役立て、出戻り先で活躍しているという実態が明らかになった。

■この記事のサマリー
出戻り人材の9割が、別の企業での経験を通じて出戻りまでに身に着けたスキルが出戻り後に役立っていると回答している。

・出戻り人材は、別の企業での経験を通じて、おかしいと思う力(物事の違和感や問題に気づき、解決を図る)や挑戦する力(失敗の可能性があっても、行動・決断する)を身に着けている。この傾向は特にスタートアップへ転職し出戻ってきた人材に当てはまっている。

・7割の出戻り人材は仕事の自由度・裁量、仕事をこなすスピード、仕事に対する楽しさ・充実感アップに成功している。出戻りのキャリアは、結果的にキャリアアップに繋がる機会であることが分かった。


9割の出戻り人材が、外部で身に着けたスキルが活用できていると実感。転職先でどんなスキルが磨かれた?

出戻り前に別の企業での経験を通じて身に着けた各スキルが、出戻り後にどの程度役立っているのか。

出戻りを経験した103人に聞いたところ、いずれのスキルにおいても出戻り後に「大いに役立っている」、「役立っている」と回答した人はおおよそ9割であった。

※出戻り人材が別の企業で身に着けたスキルは、出戻り先で役立っているか? 「役立っている」=大いに役立っている、役立っている の合計

出戻り人材は、外部での就労を通じて、新たな経験やスキルを身に着け、出戻り後に役立てている。自社の風土への理解が深く且つ新たなスキル・経験を身に着けバージョンアップした人材は、企業にとって即戦力になっていると言える。

では、転職先別(大企業とスタートアップ)に出戻り後に役立てたスキルに違いはあるのだろうか。

調査結果では、スタートアップへの転職と大企業への転職で身に着けたスキルが異なることがわかった。大企業を退職しスタートアップに転職した場合は、大企業転職者と比較し、おかしいと思う力、挑戦する力、達成への執念などのスキルを身に着けている傾向が見られた。

※本集計では、以下の2パターンでクロス集計を実施 ①大企業(従業員数が概ね300人以上で、長期的に安定した収益を上げている企業)から、スタートアップ(新しいビジネスモデルを開発し、短期間で急激な成長を遂げている企業)へ転職し1年以上就労後、再度元の大企業に戻る場合 ②大企業から別の大企業へ転職し1年以上就労後、再度元の大企業に戻る場合

転職先で身に着けたスキルについて、以下のようなコメントが挙がった。

「スタートアップ内の資金調達や出資者向けの株主会などへの参加で、会社経営をリアルに体感し、マネジメント力を身に着けることができた。」(コンサル(大企業)→宿泊(スタートアップ)→コンサル(大企業))

「スタートアップで何でもやりながら、責任者として多くを任される経験から、マーケットや顧客に対する戦略的な外向き思考が身についた。外部との協業や折衝が増えたことで人とつながる力や巻き込み力を習得できた。」(人材(大企業)→小売(スタートアップ)→人材(大企業))

「より規模の大きい企業に転職し、非常に縦割りで一人の裁量が小さい組織では、上位で決まったものを動かすというトップダウンな文化のなかで、周りを巻き込み、協力を得ながら仕事を進めていくことが重要と感じた」(印刷(大企業)→情報サービス(大企業)→印刷(大企業))

出戻り人材は、複数社での経験を通じ、企業や自分自身を客観的に評価する能力を身に着ける

先述したスキルに加え、別の企業での経験を通じて、仕事に対する価値観や企業および自身への評価の面でも変化が起きている。

「長く在籍した企業のやり方に染まっていたが、複数社経験する中で柔軟性が身についた。一つの価値観に縛られる事なく、多面的に物事を理解できるようになった。企業の常識を疑うようになった。」(人材(大企業)→情報サービス(スタートアップ)→人材(大企業)

「これまで自分自身が経験したサービスとは違う角度からクライアントに接したことで、同業界、同業種でも、業務に関しさまざまなやり方があると気付かされた。」(娯楽(大企業)→娯楽大企業)→娯楽(大企業))

「新しい知識と経験を積むことができたため、変化への対応力に関して自信がついた。自分の能力が証明され、自信がついた。」(小売(大企業)→通信(スタートアップ)→小売(大企業))

出戻り人材は、外で鍛えたマインドと社内に精通した実務力を持つ即戦力としての価値が高いため、人材獲得競争が激しい昨今、企業は一度会社を去った人材に門戸を開かない手はないだろう。

出戻り後に大活躍の出戻り人材。そのキャリアは人材にとっても有益なのか? 

では、出戻り人材にとって出戻りのキャリアとは有益なのか。

調査の結果、約7割の出戻り人材が出戻り後に仕事の自由度・裁量やスピードのアップ、楽しさ・充実感の向上を実感していることが明らかとなった。

※初めて入社した際と比べた、出戻り後の仕事の状況の変化  「良くなった」=大幅に良くなった/高くなった、良くなった/高くなった の合計

出戻り後の仕事の状況の変化として、以下のようなコメントが挙げられた。

「業務の責任範囲が増え、自分のレポートラインが、高いレベルに変わった。意思決定の責任の範囲や自分の予算の裁量権が増えた。」(医療(大企業)→医療(大企業)→医療(大企業)) 

「クライアントの上層部と直接コミュニケーションする機会が増え、仕事の責任は重くなったものの裁量が大きくなり、達成感も相当に大きく得られるようになった」(広告(大企業)→広告(スタートアップ)→広告(大企業))

「出戻り会社の新規事業において自らの経験が役に立ち成果を容易に上げることができるようになった」(通信(大企業)→娯楽(大企業)→通信(大企業))

出戻り人材は、外部で身に着けたスキルを活かして出戻り後に活躍し、それに対して満足している。出戻りは決して、転職に失敗したから仕方なく戻ってくるといったネガティブなキャリア選択ではなくなっているのだろう。

次のキャリアを考えている人は、まずは出戻りという選択肢があることを認識し、キャリアアップのための一案として考えてみてはどうか。

企業は、人材獲得競争が激しい市場環境のなかで、退職した人材の再雇用が自社への理解が深い即戦力を獲得する手段であると認識し、出戻り人材の獲得に向けた手段を検討していくことが求められる。

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終身雇用や年功序列など、これまでの雇用形態は崩れ、最近では人々の働き方も大きく変わっています。

新卒で大企業に就職したのち、将来のためにスタートアップなど別の企業への転職や起業する傾向が強まる一方で、過去に大企業を離れて転職を重ねた人の中には、再びファーストキャリアとして選んだ大企業へと戻る、いわゆる「出戻り人材」の活用が注目されています。

本記事に記載した内容を含め、実際に出戻りを経験した103人に行った調査の結果が公開されました。出戻り人材の活用に興味がある企業から個人まで幅広い方にご参考いただけますと幸いです。

■大企業への出戻り人材に関する調査報告書
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また、本調査レポートの解説記事は本記事のほかに、下記のハッシュタグからご覧頂けます。興味をもって下さった方はぜひ他の記事もご一読いただけますと幸いです!


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