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【イベントレポート】いま、起業家が求める人材とは?Notスタートアップの人材に期待すること・知ってほしいこと

※本記事は、当団体が制作したWebサイトの掲載記事を再編集後、移設しており、肩書・内容は掲載当時のものとなります。

短期的な転職ではなく中長期的なキャリア形成の場として、スタートアップにチャレンジする人を増やすことを目的に開設されたCareer Academy。2021年9月28日(火)に開催された第4回講義の模様をご紹介します。(前回レポートはこちら

●第4回講義 開催について
Career Academyオムニバス型連続講義の第4回では、「スタートアップを知る」という切り口から『いま、起業家が求める人材とは?』をテーマに、新進気鋭のスタートアップCEO3名の方にご登壇いただきお話しを伺います。

登壇者の紹介

―― 金沢 早速ですが、登壇者の方からも自己紹介をお願いいたします。

瀬川 フルカイテン株式会社の瀬川です。新卒で外資系のIT起業に就職し、国内のスタートアップ数社を経て、2012年の5月に起業しました。当初参入したベビー服事業では計3度の倒産危機に見舞われましたが、そのなかで得た着想や在庫管理のノウハウをもとに、現在は在庫の運用効率を上げる在庫分析クラウド「FULL KAITEN( https://full-kaiten.com/ )」を提供しています。本日はよろしくお願いいたします。

秋山 株式会社カンリーの秋山です。新卒で三井住友銀行に入行し、口座開設等の支店業務や法人営業に行っていました。その後、中古建設機械に係るECサイトを運営するスタートアップを経て、26歳で起業しました。近年の情報収集手段の変化に着目し、複数の店舗情報・Googleマイビジネス・HP・各SNSアカウントを一括管理することで管理・運用コストを削減するクラウドシステム「Canly( https://jp.can-ly.com/ )」を提供しています。本日はよろしくお願いいたします。

前島 株式会社Antwayの前島です。新卒で株式会社リクルートにエンジニアとして入社し、Hotpepper Beautyの開発統括や新規事業開発を経て、株式会社Antwayを起業しました。当社は「あらゆる家庭から義務をなくす」をミッションとして掲げ、家庭内に存在する義務的なタスクを便利で安心なサービスによって解決し、誰もが自分にとって有意義に時間を使える社会を作っていきたいという想いから、共働き世帯に向けた家庭料理宅配サービス「つくりおき.jp( https://www.tsukurioki.jp/ )」を運営しています。本日はよろしくお願いいたします。

右上:前島 恵氏、右下:秋山祐太郎氏、左下:瀬川直寛氏、左上:金沢慎太郎氏(モデレーター)

―― 金沢 皆様ありがとうございます。このお三方のキャリアは、ある程度大きな組織からスタートアップの世界に飛び込んだという共通点がありまして、大企業からの転職者、スタートアップ経営者、両方の視点からお話をお伺いできるのではと登壇をお願いさせていただきました。本日はよろしくお願いいたします。


テーマ①:スタートアップで働くということを掘り下げてみよう

大企業では当たり前の”仕組み”がスタートアップには存在しない。ゆえに個人としてのWillが求められる。

―― 金沢 それでは、テーマ①『スタートアップで働くことについて掘り下げてみよう』に移ります。先ずは、皆様がスタートアップ転職した時を思い出して、その際に感じられたことなをお聞かせください。まずは瀬川さんからお願いできますか。

瀬川 私は20代半ばでスタートアップに転職しましたが、前職の外資系IT企業もとても厳しい環境でしたので、厳しさという観点では当初スタートアップとの違いをあまり感じませんでした。

ただスタートアップに転職して2年ほど経過してから、大企業在籍時は見えない所で綺麗に仕組化されており、その出来上がった仕組の中での厳しさだったことを気づきました。創業時のスタートアップでは、そもそもその仕組自体が整備されていないので、結果的にそこでの厳しさは大企業に在籍していた時の比ではありませんでした(苦笑)

―― 金沢 ”仕組み”という話は、大企業とスタートアップの違いでよく出てくるキーワードですね。瀬川さん、こちらは後ほどもう少し深掘りさせてください。

秋山さんは銀行からの転職ということで、色んなギャップがあったかと思いますが、いかがでしょうか。

秋山 そうですね。新卒で入行したメガバンクからの転職で、かなりギャップを感じました。大きなところでは、スタートアップではルールやマニュアルが全くなかったことです。銀行では当たり前のように業務毎のマニュアルがあり、常にそれを参照しながら業務を行いますが、スタートアップではルールやマニュアルを1から作っていかなければなりません。

正直、入社当初はかなり驚きましたが、このような環境をスタートアップで求めていたというか、「雑草魂で乗り越えてやろう!」と思ってスタートアップに飛び込んだので、ある意味期待通りだったかもしれません。

もう1つエピソードをお話しますと、スタートアップっぽいですが、オフィスの一角でデリバリーを注文して皆で会食をすることがあります。その際、当たり前のように役員が片づけをする姿を見て、「役職や年齢なんて関係ないんだ」とシンプル且つポジティブなギャップを感じられた瞬間でもありましたね(笑)

―― 金沢 前島さんは、社内新規事業を経ての起業を経験されていると思いますが、そこではどういったことを感じましたか?

前島 一般的にリクルートというと起業家精神旺盛な人が多そうという印象を持たれるのですが、組織として大きな規模でしたので、起業時は大企業とスタートアップの差をそれなりに感じましたね。

例えば、リクルートでキャリアステップを描く際、やりたいこと(Will)・できること(Can)・やるべきこと(Must)の3つの要素をよく用いますが、後者2つCanとMustの優先度が高い人が多かった印象です。自身のWillは一定思い描いているものの、当面のCanの拡大や会社としてのMustの達成を優先しなければいけないという背景があるのだと思います。それは社内新規事業であっても同じで、全社の事業計画があり、この領域を攻めようということで新規事業をやっているので、どうしてもCan・Mustが優位になりがちです。

一方、スタートアップでは完全にその前後関係が逆転していて、まず何がやりたいのか、何がミッションなのかというWillを明確にしたうえで、そのWillを実現するためにCanやMustを後から補っていきます。これは、私自身も起業して変わったと感じています。


困難な状況こそ成長のチャンス。同じWillを持つ仲間とハードシングスを乗り越える経験はスタートアップならでは。

―― 金沢 続いて、経営者としての立場でお聞かせいただきたいと思います。スタートアップで働くことの魅力や難しさについて、前島さんはいかがでしょうか。

前島 これは経営者だけじゃなく、アーリーステージのスタートアップに勤務する人には共通すると思うのですが、時間の密度が圧倒的に上がりました。リクルート在籍時は、半期に一度のスパンで目標達成に向けたPDCAサイクルを回せば良かったのですが、スタートアップでは日々移り変わる課題に対し情報やスキルのアップデートを常に行う必要があります。例えるならば「精神と時の部屋」の様な感覚ですね(笑)

これだけ聞くと大変なイメージが先行してしまうかもしれませんが、同じ理念を持つ仲間と同じゴールを目指して仕事が出来ていることには喜びとやりがいを感じますね。実はそういう経験自体、社会人になって初めてだったなと思います。

―― 金沢 リクルートも含めて、Willを大事にする文化をもつ大企業もあると思うのですが、それでも大企業とスタートアップだと違いがあるのでしょうか。

前島 やはり大企業は事業ドメインが非常に広く、会社のミッションに対して共感していたとしても、自身のWillとの重なりが見つけ難いのだと思います。

スタートアップでは事業ドメインがよりシャープになることで、Willが重なり易くなり、結果として同じ理念を持った仲間が集まるのだと思います。

秋山 私は、スタートアップでは”変化の幅”が非常に大きいなと感じました。Canlyのサービスをリリースして凡そ1年になりますが、リリース直前までは、コロナ禍の影響で売上が半分以下になるなど倒産寸前という状況でしたが、社員一丸となって踏ん張り、リリースしてからの1年間で契約件数を約1万5千件まで伸ばすという正にV字回復に成功しました。

このような危機的な状況を当事者として乗り越える過程は、経営者だけじゃなく社員一人一人にとっても、非常に価値ある経験だったと思います。

―― 金沢 確かに大きな組織の中では、当事者としてそういった経験をすることはあまり無いかもしれないですね。

秋山 大企業の強みとして安定した財務体質があり、有事の際にも生き残れる仕組があると思います。スタートアップにはそれが無い分、実際めちゃくちゃ大変なのですが、困難な状況をポジティブに捉えてチャレンジできる人には、スタートアップへの転職はチャンスしか無いと思います。

瀬川 お二人の話はとても理解でき、話そうと思っていたことはだいたい話されてしまったのですが…。

起業初期のスタートアップは、様々な仕組やルールが無くて「柵がない状態で肉を持ってサファリのど真ん中に飛び込んでいく」ようなものですよね(笑)ですので、大切なのは物事の捉え方だと思います。物事のネガティブな要素にフォーカスするのではなく、その中にあるポジティブな要素を見つけて行動に移せる人は成長スピードがとても速いですし、実際に当社で成果を出している社員像にも合致しますね。ただし、ずっとそんな状態が良いとは思っていなくて、ステージ次第です。

ただ、どんなスタートアップでもそういったステージがあることは理解しておく必要があると思います。

―― 金沢 ここまで、困難な状況(ハードシングス)があるという話がよくでてきたのですが、具体的にはどんなハードシングスがあるものなのでしょうか。

前島 当社の場合は、クラウドキッチンという物理的なインフラを持って事業を拡大していくので、一定の初期投資が必要です。一方、資金調達には事業の成果を示す必要があるので、資金調達と事業成長を両輪で回していかないといけません。その事業成長にも、採用・集客・製造キャパなど、色んなパズルを多部署連携で緻密に組み立てて必要があります。モメンタムを気にするVC等と対峙するために、1ヶ月でも停滞させないようにPDCAを回していくのはハードだなあと感じます。

また、月次のPDCAばかりを回していると、半年後、1年後のモメンタムが出せなくなってくるので、常に半年・1年・それ以降の未来を見据えて事業を考える、視点の使い分けが経営者には必要だと思います。

秋山 Canlyをリリースする前に宴会特化のお店予約サービスを展開していましたが、コロナ禍等の影響で需要が全く無くなり倒産危機に見舞われました。その際、経営者としてどのような決断をするかはハードでしたね。というのも我々のサービスを信じて、使っていただいたお客様がいたなかで、消費者の需要が全く無いにも関わらずサービスを継続すべきか、当時水面下で開発を開始していたCanlyに集中すべきかの決断は非常に悩みました。

当社の理念の1つとして「正直であれ」を掲げており、この言葉通り全ての社員に対し危機的な状況をありのまま伝えていましたし、同時にこれは大きなチャンスであるとも話しました。その後、状況を打開するため数々の打ち手を試行しました。

今振り返ると、当時は無我夢中でしたので考え出した打ち手も完全にブレていましたが、そのお陰で多くの成功例と失敗例がナレッジとなり、社員全員で考え学ぶことができましたね。


テーマ②:大企業・メガベンチャーの方に期待すること、知っておいてほしいこと

事業拡大フェーズのスタートアップは、大企業出身者が持つ事業をスケールさせる経験とノウハウを求めている。

―― 金沢 それでは、次のテーマ『大企業・メガベンチャーの方に期待すること、知っておいてほしいこと』に移ります。スタートアップで活躍するには日々の変化に柔軟に対応することが必要であるということが分かりましたが、いわば「組織の中の変化が少ない」大企業やメガベンチャーに所属している方に期待することや知ってほしいことを掘り下げていきたいと思います。

ズバリ率直にお伺いしますが、大企業やメガベンチャー出身者を今のご自身の会社にジョインして欲しいか、理由や期待することと合わせてお聞かせください。

秋山 結論から言うとめちゃくちゃジョインして欲しいです!当社は今年5月に計4.6億円の資金調達を行い、人材採用強化中です。

Canlyは、リリースからこの1年で事業基盤ができ、一定の”型”ができたところです。この事業をグロースさせていくというステージは、0⇒1フェーズと比べるとちょうど良いカオス感がありつつ、再現性をもって事業を成長させていく必要があるので、大企業やメガベンチャーで培ったノウハウや経験がフィットするのではないかと思います。

瀬川 私の場合は、単に大企業やメガベンチャーに所属していた”だけ”の方にはジョインして欲しくないですね。大企業で培った知見を生かし仕組自体を作っていける人、言い換えると、”業務設計”を行える人が、が必要だなと思います。

例えば、ポテンヒットになりそうなタスクがあり、それをとある社員が「善意」で拾ってくれたとして、当然その人にも本業のタスクがありますし、最悪の場合いずれかのタスクが宙に浮いてしまう可能性があります。そのような状況では会社の成長速度が遅くなってしまうので、そのような事態を未然に防ぐために、善意に頼らない仕組が必要であり、仕組そのものに対する有り難みや感度が高い人材であれば是非入社して欲しいです。

前島 当社でも、既に大企業やメガベンチャーから入社されて活躍している社員も多くいますので、是非来ていただきたいと思っていますが、そのなかでも特にリリース・運用・エンハンスを一貫して経験している人材が欲しいですね。

事業をグロースさせていくフェーズでは、実は運用・エンハンスの方が大変なんです。大企業に所属している方の強みとして、運用・エンハンスが非常に大きい規模で経験出来ますので、そういった大規模な運用を推進する経験やノウハウを持った方がジョインいただくと、手戻りも少なく効率的に事業を成長させていけると考えています。例えば、社内文書管理の情報設計業務などドキュメンテーションと呼ばれるような業務において、大企業で培った運用・エンハンスの知見が活きたりしています。


大企業出身者というプライドを捨てて、アンラーニングし続けられるか。

瀬川 無意味にプライドが高く、アンラーニングできない人ですね。これまでの自身の経験や知見と異なる場面に直面した際や、スタートアップとしてのステージが変化する際など、スタートアップでは、常にアンラーニングし続けることが求められます。

―― 金沢 少し答えづらいかもしれませんが、逆にこういう人にはスタートアップにジョインして欲しくないなと思う人材像があればお聞かせください。

秋山 手を動かすより先に口が出るようなタイプの方はスタートアップに合わないなと思います。実際に当社でも創業後1年以内というカオス且つ不確実性が大きい時期に、大企業から入社いただいた方がいましたが、当時の現状に対するネガティブな発言や誰かを責めてしまうようなコミュニケーションが先行してしまうケースがありました。ハードシングスが当たり前のスタートアップにおいては、自らが率先して手を動かして状況を打開しようという姿勢がとても大切です。

前島 瀬川さん同様、プライドが高い人でしょうか。私はスタートアップに合う人材像を「自信×試行回数/プライド」と定義しています。前に進む原動力である”自信”と、検証して振り返る”試行回数”は多ければ多いほど良いと思う一方、”プライド”は小さければ小さい方が良いと思います。

―― 金沢 「自信」「試行回数」「プライド」、この3つの変数ではどれが一番ボトルネックになりがちでしょうか。

前島 圧倒的に”プライド”ですね。瀬川さんのお話にもありましたが、高いプライドはアンラーニングを阻害します。客観的なファクトを示されても変えられない…という方は、プライドが原因で躓いているように感じます。

―― 金沢 本日ご登壇いただいている3名は、それぞれ全く異なる経験をされてきた方ですが、出てくるキーワードは共通するものが多いことが分かります。きっとこれがスタートアップで活躍するためのある種の答えなのかもしれませんね。


スタートアップのネガティブな側面も事前に把握する。そのうえで、失敗から学びを得る価値を理解する。

―― 金沢 それでは、テーマの最後となりますが、何も知らずにスタートアップに飛び込んで失敗してしまうのは、人材側にも企業側にもデメリットが大きいと思います。

スタートアップ経営者の方が期待したいことと現状のギャップを埋めるために必要な要素が分かれば、スタートアップへ飛び込みたいものの、不安を抱えている人へある種の羅針盤になると考えます。失敗を未然に防ぐため、皆様のご経験も踏まえてお聞かせください。

前島 個人のプライドやスタンスは先天的に変えづらいという前提はありますが、Willの明確化を行うことが何より大切です。プライドが優先されてしまうシーンでは、物事が自分ゴト化されておらず、その時の整合性さえ取れれば議論が終わってしまいます。Willが明確な人は「こうなりたい、これを成し遂げたい」がハッキリしていれば、経営者としてもそのWillに対する現状とのギャップをフィードバックができるので、両者にとって有益な時間を過ごせると思います。

秋山 転職時はテンションが上がってしまい、スタートアップのキラキラした情報ばかり見てしまいがちなのですが、敢えてネガティブな情報やリスクについても把握して、スタートアップに対する期待値をコントロールしておいた方がよいと思います。

ネガティブ情報を把握するには、その会社の面談や面接の際に直接聞いてみるのが一番早いですね。どんなスタートアップでも、課題やリスクは付き物ですので、「御社の良い面、悪い面を正確に把握したい」という前置きがあったうえで質問いただければ、スタートアップに対し真摯に向き合っていただいているという点で寧ろポジティブな印象を持たれるのではないでしょうか。

瀬川 プライドが高い人ほど、自身が積み上げてきたものを失う怖さを感じていると思いますが、案外そんなことは起きないんです。会社のミッションに共感して行動したのであれば、例えばミスをしてもそれは些細な事であり、「申し訳ありません」という言葉は不要なんです。寧ろスタートアップにおいては、一生懸命トライしたことを評価するので、ひとつのミスで全てを失うようなことは無いということは知っておいて欲しいですね。

スタートアップでは常に状況が変化しますので、失敗して学びを得ることが大きな価値です。スポーツと同じで、小さなミスは切り替えて、最後に勝っていればばいいんですよ。

―― 金沢 アンラーニングについて少し深掘りしたいのですが、どういったことをすればアンラーニングは進むのでしょうか。

前島 私は常に「構造主義」を意識しています。構造主義とは、ある現象があった時に、主体者の意思や努力によって成し遂げられる割合はとても限定的であり、多くは社会的な文脈や環境によって成り立っているという考え方です。仮に何か上手くいった時も、基本的に自分の成果ではなく、まわりの環境のお陰であり、仕事においては仲間のお陰であるように、「自分はいかにアリンコであるか」と律しています(笑)

瀬川 私の場合は、「焦り」みたいな気持ちでアンラーニングしていますね。経営者として、資金が尽きるか事業が成長するかの追いかけっこを常にしていますので、必然的にアンラーニングするしかない環境に置かれていることが大きいと思います。

秋山 私たちは常に本音で「フィードバック」し合う文化を大事にしていて、勿論、経営者である私に対してもがんがん意見を言って欲しいと伝えています。チーム一丸となって取り組んでいくにあたり、周囲の声を聞くための受け皿を準備し、フィードバックに対して反省を地道に繰り返していくこととが、アンラーニングにも繋がっていると思います。

―― 金沢 あっという間にお時間となってしまいました。最後に登壇者の皆様から一言ずついただきたいと思います。

瀬川 仕組の重要性について理解し、環境変化に対応出来る人であれば、案外スタートアップと大企業の差は感じないと思いますし、スタートアップに転職されたとしても、十分活躍出来ると思います。

秋山 本日はスタートアップの実情について、ポジティブ・ネガティブ両面でありのままをお話させていただきました。キラキラしている面だけ見てスタートアップへ入社すると、不適合を起こし結果的に不幸になってしまう可能性があります。

どんなスタートアップでも、ハードな状況や目まぐるしい環境変化を乗り越える必要がありますが、そのような環境を通して学んでいきたい、勝負したいと思う方であれば、スタートアップへの転職はチャンスに満ち溢れていると思います。

前島 私が大企業に勤めていた時を思い出すと、起業する人は別世界の人のように見えて、特別な人が起業するんだな…と思っていたのですが、実際に自分が起業してみてその因果関係が逆だと分かりました。前職のリクルートで良く使われていた言葉で「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉がありますが、機会によって自分が変わっていくというメッセージが込められています。機会を得るために自らが一歩を踏み出すことで、成長のループがまわっていくということなので、最初の一歩を踏み出す時は”同じ人”で、そんなに差は無いです。

現在は、スタートアップの資金調達や業務委託の環境も改善され、チャレンジしやすい環境になりつつありますので、是非、自ら大きな一歩を踏み出していただきたいです。

―― 金沢 それでは本日の講義を終了いたします。誠にありがとうございました。


今後のCareer Academyについて

Career Academyは月に2回の頻度で開催しています。次回は10月15日、『あなたの市場価値はいくら?~10年後も社会で必要とされる人材になるためのエッセンス~』をテーマに開催いたしました。(記事はこちら


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