【出向起業|体験談】株式会社VAMO マネージャー 山田 勇翔
Q.これまでのキャリアについて教えてください。
2019年、静岡県に本社を置くヤマハ発動機株式会社へ入社しました。ヤマハ発動機はバイクのイメージが強いと思うのですが、船、水上バイク、マリンエンジンなどのマリン製品にも力を入れており、私は船外機、船のエンジン開発やアメリカ向けの認証業務を担当してきました。
現場で働く中で感じたのは、日本の製造業の人材不足です。
製造業の拠点となる工場の多くは地方にありますが、わざわざ地方へ転職する方は少ないのが現状です。そもそも、少子高齢化により製造業の若手人材が減少傾向もあることから、人材不足の解決は急務だと感じていました。
そんな時、ヤマハ発動機OBの方と会話する機会があり、英語力やエンジンに携わってきた専門性など、自分のスキルを生かした仕事をしたいというモチベーションがあることを知りました。
中途採用での人材確保、さらに私が関わるマリンなど専門性が高い分野になると、対応できる即戦力の採用はさらに困難です。
彼らの様なモチベーションを持つOB人材の力を借りることができれば、製造業の人材不足解決につながるのではと考えたのが事業アイデアのきっかけになりました。
Q.アイデアを事業化、出向起業へと行動に移された理由を教えてください。
退職後も自分のスキルを活かしたい、挑戦したいと思っているOBの方が沢山いることを知ったからですね。
現役時代に工場設立や開発業務などで先進国、開発途上国問わず海外経験も豊富なOB人材に地方企業で活躍いただくことは地域活性化にも繋がります。
人材不足で困っている製造業の課題を働く意欲のあるOB人材の知見を活かして解決することで、Win-Winの関係を築きながら事業創造が出来るのではないかと、事業化を決断しました。
Q.出向起業制度の活用にあたって、社内調整はどのように進めめられたのでしょうか。
海外に留学をしていた頃、現地では日本の商材をたくさん目にしました。そんな日本のメーカーを誇りに思って就職、働く中で知ったのが人手不足の現状です。
この課題を解決するためには、現状をもっと理解する情報収集が重要だと考えたとき、製造業の現場である所属企業での情報収集が可能な出向起業の活用を選択しました。
所属企業でも製造業の人材不足という課題、即戦力人材に対するニーズを確認できていましたので、事業化に向けた社内調整での苦労はありませんでした。
出向起業後の現在も所属企業には定期報告を行い、アドバイスやサポートをいただいています。
Q.出向起業への応募に対して、周囲の方の反応はいかがでしたか。
社会人としてはまだ未熟ですので、両親は出向起業という形で経営者になることに少し不安に感じていたようです。
ただ、自分のビジネスを作れるチャンスはなかなか無いことを理解し、最終的には背中を押してくれました。
Q.まず実現したいこと、目標やビジョンがあれば教えてください。
VAMO社として実績を作り、信用度をあげていく必要があると考えています。まずは自動車関連製造業に展開しつつ、他の製造業への展開を考えています。
例えば、静岡県は茶葉栽培で有名ですが、お茶の製造・加工場もたくさんあります。「自動車」と「茶葉」に関連はなさそうに感じますが、食品製造での活躍できることなど、人々を繋ぐ仕組みを展開したいと思っております。
また、静岡県内の地方自治体や商工会議所等と連携し、中小企業に向けてもサービスを展開していきたいと思っております。
Q.出向起業にあたっての意気込みをお聞かせください。
会社員から経営者になって変わったことは、行く様々な所で常に経営について考えるようになったことでしょうか。
私はカフェやグルメ巡りが好きなんですが、その場を楽しむだけでなく「このカフェはどうやって利益を出している?」「この立地でどうやってお客さんを呼んでいる?」「どうやって他と差別化をしている?」などを考えるようになりました。
一経営者として新しいビジネスを作る必要がありますので、あらゆる細かい所に焦点を置き、経営者目線で物事をとらえる癖が身に付いてきたのでは、と思っています。
日常生活のあらゆる所に成功のヒントは転がっているので、引き続きアンテナを広げながら、地域になくてはならない会社に育てるために、全力で走り抜きたいですね。
株式会社VAMO マネージャー 山田 勇翔
「 国内製造業を強くするためのプロ⼈材実証事業 」について
少⼦⾼齢化や若⼿⼈材の製造業離れを起因とする人材不足、海外市場の拡大など、⽇本の製造業は変⾰期であり、多くの課題を抱えています。
本事業では、大企業や中小企業が外部に委託したい業務を当社が受託し、弊社に登録している即戦力の製造業出身OB/副業人材の方で製造業の課題解決を目指します。
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