【調査レポート】スタートアップ転職者が思う、スタートアップで役に立った/立たなかった大企業スキル
大企業からスタートアップへの転職となると、大企業で身に着けたスキルや経験が役に立たないと思うかもしれないが、意外とスタートアップでは大企業スキルが求められている。
スタートアップで役に立つスキル・経験を見ると、案外自分もスタートアップで活躍できると思えるはずだ。今一度自分の身につけたスキル・経験を振り返り、今後のキャリアについて考えてみるのもいいだろう。
この記事のサマリー
大企業からスタートアップに転職した人が大企業で働いていた時に身につけた・磨かれたスキルのうち最も役に立ったと感じているのは「業務を通じた専門性・知識/技術(業務知見)」で、あった。
一方で、組織横断根回し力、論理的説明力、こつこつ計画力、プレゼンテーションスキルといったいわゆる大企業で特に重宝されるスキルが役に立ったという声は少ない。
スタートアップの約3分の1が、フロント業務同様に大企業での「人事」・「総務」・「経理」・「法務」といったバックオフィス業務の経験を持つ人材を求めている。
おおむねの大企業スキルはスタートアップで役立つ
スタートアップへの転職を経験した101人に聞いたところ、大企業の各スキルについて60%以上の人が役立ったと回答している。図1をみると、コミュニケーション能力、外部連携力、日本語力が役に立ったスキルとして上位にランクインしている。最上位ではないが、注目したいのは80%近くのスタートアップ転職者が大企業で身に着けた業務を通じた専門性・知識/技術(業務知見)が役に立ったと回答しているという点だ。
この結果は大企業人材が自らの業務経験やスキルをスタートアップの仕事で活かせるチャンスがあることを示唆していると言える。
【図1】過去に大企業で働いていたときに身につけた・磨かれたスキルの中でも、スタートアップで働くにあたり役に立っていると感じるもの(大いにあてはまる、あてはまるの合計)
いわゆる大企業独特のスキルはスタートアップでの汎用性は低いか
一方で、図2を見るとスタートアップ転職者のうちたった5%しか組織横断根回し力、稟議・決裁のための論理的説明力、こつこつ計画力、プレゼンテーションスキルといった、いわゆる大企業で重要視されるスキルを評価していない。これはスタートアップと大企業で求められる働き方や組織体制が異なることによるものだと推察される。
【図2】過去に大企業で働いていたときに身につけた・磨かれたスキルの中でも、最も役に立っていると感じるもの
大企業のバックオフィス系業務の経験・スキルはフロント業務に並びスタートアップで高い需要あり
図3を見ると、大企業からスタートアップに転職した人のうち、35.6%が大企業で人事、総務、経理、法務に関連する経験・スキルを習得した人をいまの職場に求めているという。これらの業務経験を持つ人は、「営業・販売」、「経営企画」、「技術開発・設計」といった事業の中核をなすフロント業務と同水準で求められている。
【図3】どのような業務経験をしている大企業人材に、自社のスタートアップに来てもらいたいと思うか。
スタートアップで転職者が思う大企業で身につけて役に立ったスキル・経験を見ると、案外自分もスタートアップで活躍できると思えたのではないだろうか。今一度自分の身につけたスキル・経験を振り返り、今後のキャリアについて考えてみてはどうか。
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