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【林業×土地活用】森林という”フィールド”の潜在的な価値を開拓する

森林は、国土の3分の2(林野庁の統計を参照)を占め、防災、治水、生物多様性など、多面的な機能を持ち、文字通り日本を支える重要な資源です。しかし、林業従事者数の減少・高齢化などを背景として、今後異分野の新しいアイデア・技術等を導入・活用していく取組が重要視されています

以前、林野庁実証事業の事務局として当社(一般社団法人社会実装推進センター:略称)が作成した『ガイドライン』をサクッとご紹介しました。

■森林・林業分野における新事業開発ガイドライン
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今回は、上記ガイドラインで紹介されている森林を活用した『価値の生み方のパターン』の6つの内の1つである『森林フィールド活用』について、新規事業開発の実例も踏まえて詳しく、わかりやすく解説していきます。

森林・林業関係者の方はもちろん、異分野事業者のみなさんに森林・林業分野に興味を持っていただけますと幸いです!
ぜひ、ガイドラインを片手にご覧ください。

新たな価値を創出する『森林フィールド活用』とは?

『森林フィールド活用』による価値創出は、「森林を活用したい」というフィールド利用者のニーズに対して、事業者と森林・林業事業者(あるいは山主)が連携して森林フィールドを提供することで、新たな価値を生み出す手法です。

「森林を活用したい」という利用者の多種多様なニーズに対し、それぞれ適切なマッチングが求められることから、この手法は森林・林業事業者だけでなく、高付加価値の商品作りができる異分野事業者との連携が重要なポイントです。

『森林フィールド活用』の課題

森林フィールドの森林提供者とフィールド利用者で1対1のマッチングでは事業者が間に入る価値が持続しないことから、多数対多数のマッチングが可能なスキームの構築が主な課題となっています。

また、事業として成立させるには、山主・フィールド利用者とのネットワークを持つ事業者が実施する、または協力してもらえる関係性と環境を開拓することが重要とされており、少なくとも山主・フィールド利用者のいずれかのコミュニティにアクセスできる事業者が、1対多数のマッチングから始めることが有用です。

では、具体的にどういったケースが該当するのか、次の章より、2つの実例をご紹介していきます。


【多用途誘致型】久万造林社の事例

山主かつ造林事業者である久万造林株式会社(以下、久万造林社)が展開している、複数用途に使えるフィールド作りの事例です。

久万造林社は、フィールド設計前に、自社ガレージ内で運営しているコミュニティカフェで地域の住民や事業者から森林活用のアイデアやニーズを収集。事前のマーケティング活動ができたことによって、ある程度の用途を見込んだ設計・着工ができました。

事前に収集したニーズをもとに森林に活用地を設け、地域の事業者にレンタル。地域の住民や事業者自らが、MTB大会や写真撮影など様々なイベントに活用することで、地域の活性化を促進しています。

企画・集客の面では顧客網を有する地域事業者と連携しているため、久万造林社は低リスクでの貸し出しができており、フィールド提供による収益から造林事業の費用に充てることで、森林・林業の発展にも繋がっています。


【単用途誘致型】森庄銘木産業社の事例

次にご紹介するのは、ジビエ関連事業『カリツナギ』を展開する森庄銘木産業株式会社(以下、森庄銘木産業社)が展開している、森林フィールドと猟師をマッチングすることで新たな価値を創出する事例です。

『カリツナギ』は、狩場を見つけることが難しい新米罠猟師に対して、森林フィールドと地元罠猟師をマッチングして猟場を提供することで、新たな狩猟人口の増加だけでなく、獣害対策にも貢献しているジビエ関連サービスです。

狩猟の用途では許認可等も含めて自治体との連携も必須となるため、通常であれば協力を得るまでに時間がかかりますが、地元の歴史ある林業事業者である森庄銘木産業社が自らハブとして機能することで、新米罠猟師が罠猟キャリアを開始するために必要なリソースを早期に集めることができました。

また、『カリツナギ』を利用した猟師から支払われた森林利用料を活用した獣害対策や、実際の猟の活動量が増えることで獣害の抑制に繋がっており、利用者と森林・林業関係者双方の価値を創出するスキームが実現しました。


『森林・林業分野における新事業開発ガイドライン』ダウンロードはこちら

今回紹介した2社の事例も収録されている『森林・林業分野における新事業開発ガイドライン』では、本記事ではまだ紹介していない森林を活用した『価値の生み方のパターン』の詳細、他の事例も多数ご紹介しています。

画像下のURLより情報入力なく、無料でダウンロードできますので、今回の記事を読んで森林・林業分野に興味を持ってくださった方はぜひ一度、本ガイドラインをご一読いただけますと嬉しいです!

■森林・林業分野における新事業開発ガイドライン
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また、本ガイドラインの解説記事は本記事のほかに、「 #森林・林業分野における新事業開発ガイドライン 」のハッシュタグからも検索頂けます。

興味をもって下さった方はぜひ他の記事もご一読頂き、ビジネスの一助としていただけますと幸いです!

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