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【イベントレポート】「Venture café Tokyo」にて、ものづくりスタートアップ関連イベントを開催しました J-Startup Hour #44~「スタートアップと製造業のコラボによる成長」~

※本記事は、当団体が制作したWebサイトの掲載記事を再編集後、移設しており、肩書・内容は掲載当時のものとなります。

Venture café Tokyoでは、J-startupを始めとする先進的な取組を行うスタートアップのコミュニティ作り・情報交換を促すイベントとして、”J-startup hour”が開催されています。
今回はハードウェアスタートアップ特集として、「スタートアップと製造業のコラボによる成長」について、J-startupとStartup Factoryの協業により壁を乗り越えた事例を踏まえてディスカッション頂きました。

■登壇者
牧田 恵里氏
株式会社tsumug 代表取締役

株式会社tsumug:https://tsumug.com/
コネクティッド・ロックTiNK:https://tinklock.com/

金丸 和生氏
シャープ株式会社 オープンイノベーションセンター 所長

シャープ株式会社:http://www.sharp.co.jp/
SHARP Open Incubation:https://oi.jp.sharp/

モデレーター
中間 康介氏
環境共創イニシアチブ(SII)

事業紹介

株式会社tsumug

  • 2015年12月設立。コネクティッド・ロック「TiNK」を開発するスタートアップ。「TiNK」はLTE通信する電子錠であり、初期設定でWi-FiやBluetoothとの連携が必要なく、単体で携帯電話用の通信回線規格であるLTE通信をする機能が特徴。それによってどこにいてもすぐにアプリから部屋の鍵を発行・削除することや、誰が鍵をいつ開けたのかを知ることができる。

  • 2018年6月、経済産業省「J-Startup」 企業に認定。2019年6月、経済産業省事業「ものづくりスタートアップ・エコシステム構築事業」に採択され、コネクティッド・ロック「TiNK」の量産化に向けた試作開発を進めている。

コネクティッド・ロック「TiNK」


シャープ株式会社 オープンイノベーションセンター

  • IoT時代の到来でモノづくりスタートアップが増加するものの、各社が「量産化の壁」に直面している現状に対して、シャープの100年を超えて蓄積してきた製造業のノウハウが活用できるという考えから、オープンイノベーション事業の検討をスタート。

  • 2016年に、社外のIoTベンチャー企業のモノづくり/量産を支援する活動として、「モノづくりブートキャンプ」と「量産アクセラレーションプログラム」を開始。左記プログラムを用いてtsumug社を初期から支援している。

  • 2018年より、「J-Startup Supporters」、「スタートアップファクトリー」として、さらなるスタートアップのモノづくり支援を進めている。


当日の講演はこちらの動画でご覧いただけます


自己紹介・事業紹介

―― 中間 まずtsumug牧田さんから簡単に自己紹介・事業紹介をいただけますでしょうか。

牧田 こんにちは。株式会社tsumugの牧田です。今日は、宜しくお願いします。

私たちが開発しているのは「TiNK」という鍵のデバイスなんですが、そのきっかけとしては、私自身がもともと同棲していた元彼に鍵を知らない間にコピーされていて、別れた後に1か月半くらい不法侵入されていた、っていう実体験があったんですね。おー、みなさん苦笑いってとこですかね(笑)。それは、物理的な鍵が「安全」だと信じられているような価値観があって、実はそうじゃないということに気付いたきっかけでした。元々、何か既存の価値観を変えられるようなデバイスを作ってみたいという風に思っていたのがあって、それで今「鍵」というテーマを選んで事業開発をしています。

tsumugは今3期目になります。シャープさんを始め、VC、事業会社さんから調達を進め、今は資本金3.5億円と大企業みたいな感じになっていますが、まだ調達を続け、事業開発を進めている段階になります。

TiNKは、単体でLTE通信する電子錠なんですが、デバイス単体を売りたいのではなく、例えば不在配達時に鍵を遠隔操作して玄関に運んでもらえるだとか、そういった皆さんの身近な課題を解決するサービスを作っていくことを目指しています。ですので、デバイスだけでなく、サービス連携をしやすいシステムを構築しています。ここが、TiNKの特徴かなと思っています。

ちなみに、その仕組みを使っている事例が、福岡で走っているメルチャリですね。サービスの部分は、メルカリさんが作っていて、その裏側のシステムでtsumugのTiNKを活用頂いていました。

―― 中間 ありがとうございます。では次にシャープ金丸さんお願いします。

金丸 シャープ株式会社の研究開発事業本部 オープンイノベーションセンターの金丸と申します。よろしくお願いします。

シャープがオープンインキュベーションとして、スタートアップとの取組を始めたのは約3年前です。一番最初は、DMM.make AKIBAみたいなものを、天理に作ったらどうだという話があったんですが、箱ものを作ってもなかなか集める自信もなかったんです。そこで色々なスタートアップさんやベンチャーファンドさんの話を聞いてみると、スタートアップさんが、いざ量産にするときにモノづくりで苦労されてるということをお聞きしまして。であればシャープの量産に関する技術とかノウハウを活用できないか、という話になりました。

それまで完全な「門外不出」だった量産に関する技術やノウハウを外に出すというには、内部でもいろんな反応がありましたが、スタートアップさんの取組みなど何か新しいモノを求めていました。そこで、まずはシャープのモノづくりの技術ノウハウをスタートアップさんに見て頂いて。見てもらった上で、どれを使うかっていうことをスタートアップさんと一緒に議論していく、という合宿形式のモノづくり研修や量産を寄り添って支援する量産アクセラレーションプログラムを進めてきました。

これまで、スタートアップさんの困りごとを何でも対応していこうよ、というスタンスで様々なプログラムを追加・拡大しています。例えば、試作設計や生産の受託、アフターサービス網を使ったアフターサービス支援などもしています。また、スタートアップに必要な設計試作会社や量産工場を、シャープの量産支援ネットワークから紹介したりもしています。スタートアップさんの困りごとにはシャープのアセットで使えるのは何でも使っていこうと取り組んでいます。


シャープのブートキャンプをきっかけに始まった「TiNK」開発

―― 中間 そんなtsumugさんとシャープさんの出会いは、モノづくりブートキャンプだったと。

金丸 最初のモノづくりのブートキャンプは、2016年7月に開催しまして、牧田さんが一番に来てくれました。そもそも社内的には10月開始くらいのスケジュール感だったのですが、牧田さんがどうしても7月に、とおっしゃって(笑)。

牧田 ですよね。当時、6月頃にものづくりブートキャンプに興味ありますか?と聞かれて、「来月必要です。すぐ来月やってください。7月にどうしてもやってほしい」と、言ったのを覚えています。

私がtsumugを創業する前は、ベンチャーキャピタルでアクセラレーターをしていて、スタートアップを支援する側として、色々なメーカーさんとお話しさせていただく機会がありました。そんな中、シャープさんが1か月でブートキャンプが開催されたことに、すごく私は感動してしまいました。かつて、こんなにフットワークが軽い大企業の方がいなかったんですね。

―― 中間 シャープとしても10月から7月に縮める苦労はありましたか。

金丸 苦労はありました。でも、結局はやるか、やらないかなんですよね。過去に液晶などの新規事業創成期の時もそうで、きっちりやったら3か月掛かりますが、何とか突貫でやったら1カ月でできるという経験はありました。当時は出張で中国にいたんですが、資料つくったり、調整したり、1カ月でやるためにどうしたらよいか考え、スケジュールを組んで突貫でやりました。その後12月にスタートアップさんに寄り添って量産をサポートする量産アクセラレーションプログラムも開始したんですけど、これの第一号もtsumugさんでした。そこからのお付き合いになります。

―― 中間 そのブートキャンプを7月にどうしても受けたいと思ったのはどういう背景だったのでしょう。

牧田 私は技術者ではないので、量産するっていう事が全くイメージがついていませんでした。何にどれくらい時間が掛かって、何を準備しなきゃいけないのか、というものが全然わからなかったです。それでシャープさんのノウハウが聞けるというのはもう「絶対、やって!」みたいな興味しかなかった感じです。

―― 中間 ブートキャンプを受ける前と受けた後で、びっくりしたことはありますか?

牧田 朝8時から夜9時くらいまで10日間の日程で実施したのですが、もう全体的に目から鱗でした。例えば、最初にシャープの天理の博物館を見るところから始まるんですよ。最初にシャープペンが置いていて、え、ここから?みたいな(笑)。100年近い歴史をみさせていただいて、これからものづくりのノウハウ教えてもらえることにまず、少し興奮感がありました。本当にシャープの天理ミュージアム見に行くだけでも、価値があると思います。

あと、シャープさんには品質管理用の虎の巻があるんですが、その虎の巻自体は見せてもらえません。そこから各社に合ったメソッドをシャープさんと相談しながら、アドバイスしてもらいます。その品質の考え方や安全基準をどうクリアしていくのかという、日本ならではのモノづくりの考え方はすごく参考になりました。

―― 中間 ブートキャンプから量産アクセラレーションプログラムの間で、シャープさんはどういった支援してきたのでしょうか。

金丸 まずtsumugさんにはシャープの協力工場さんをご紹介しました。シャープの協力工場は大きい所から小さい所まで色々あります。tsumugさんに紹介したところは、大阪の方の協力工場でした。規模は決して大きな工場ではありませんが、シャープを支えてくれている協力工場さんで、スピードや熱意やコスト力で強いところです。

但し、そういった協力工場に依頼をするには、しっかりとした要求仕様や設計図が必要です。スタートアップさんは設計図が無いことが多い。そこの苦労がずっと続いていたっていうのがありました。

―― 中間 最初に牧田さんがシャープさんに見せた設計図はどういったものでしたか?

牧田 パワーポイントで2~3枚のプレゼン資料みたいな感じでしたね。「このようなものを作りたいです!」「お願いします!」みたいな感じです。

DMM.makeというスペースがあったので、旋盤や3Dプリンタを使用して、簡単なプロトタイプは作れて、実際に動かしてサービス体験を検証するまではできていました。ただそこから量産機にする時に、工場の方に対して「こういう使い方をして」という概念的な説明しかできていなかったんです。

金丸 一品モノのプロトタイプには、量産時に考える「公差」という概念が無いんですね。ですので、量産機を開発するにあたって、組立性や生産安定性が高い設計にしたり、そういう部品を選定したりする必要がでてきます。一方tsumugさんにも技術スタッフがいて、モノづくりへの想いを持っているので、僕らもそれを壊さないようにしつつ、最低限ここは必要だなというとこで、議論に時間掛けていますね。

―― 中間 大企業のしっかりしたモノづくりと、スタートアップのスピードって、せめぎ合いがあると思いますが、どのようなコミュニケーションをとられていましたか。

牧田 割と本気でケンカをしていましたね。金丸さんと何回言い合いしたかわかりません。今年もやりましたね(笑)。多分、共通言語が無い中で、歩み寄っていただけたことが、シャープさんの懐の深さだと感じました。どの大企業や工場とやるプロジェクトもそうですが、まず、スピード感という共通言語がありません。そこをお互いにどう擦り合わせるか、「これは出来る」「これは出来てくれないと困る」みたいなことをやり続けました。

―― 中間 シャープさんが協力工場さんとの間に入って、言葉を翻訳していた形でしょうか。

金丸 そうですね。協力工場さんはきっちりとした要求仕様や図面を出す必要があります。彼らは依頼された要求仕様や図面ベースで仕事をしますので、これらを踏み外した仕事はなかなかしにくいのが実態です。ですので、シャープが両方の立場がわかる立場として、「それをしたらコスト上がる」「ここの設計はこうするといい」などと言いながら、間に入ってお互い議論していきました。

牧田 協力工場さんとの関係性も、プロジェクトが進んでいくとだんだん変わっていきました。最後はやはりコミュニケーションなんですね。言葉だけでなくて、「ニュアンスを理解してくれる」とか「そうは言ってもやってくれる」みたいな。シャープさんと工場さんの信頼関係があることで、スタートアップと工場さんが会話しやすくなったのは実感としてありました。


今後取り組んでいく、確かなモノづくりをベースにしたサービス開発・社会実装

―― 中間 これから量産・社会実装に向けて、どういう課題を越えていかなくてはならないのでしょうか。

金丸 現在、モノとしては仕上がってきているので、これから社会実装していく中で、品質を安定的にキープしながら生産を続けて、コストをどんどん下げていかなくてはなりません。tsumugさんの製品は初期の試作時点からだと、今は60%くらいコストダウン出来ていますが、まだまだ更に半分までやっていかないといけないなと思っています。

また、社会実装のフェーズでは、次のモデル開発を効率よく進めていく必要があり、要求仕様書など、tsumugさんが今まで開発してきた技術や経験値をドキュメントにしていくことも大事です。特にスタートアップさんは、テンポラリーに外注するケースが多いなか、こういう技術資料っていうのはtsumugさんの大事な財産になると思うんですよね。ここでしっかり整備して、これからのものに有効活用していくというのが今のフェーズとして大事かなと思っています。

―― 中間 tsumugさんとしては、モノづくり以外にもサービス開発や協業先の開拓はどう進めるのでしょうか。

牧田 モノづくり系のスタートアップはそうだと思いますが、モノがあると話が早くなります。

品質部分でも見てもらって問題無いものを出していって、作ったモノを実際に触って動かしてもらって、サービス展開っていうのを進めていきたいなと思っています。

―― 中間 ちなみに試作機は何号機みたいな感じですか。

牧田 もう本当にいっぱいあるので、そろそろ処分に困っています(笑)。もったいないから、博物館みたいなのを作って歴代年代別に並べています。本当に派生形とかもあって、全部数えると幾つかあるかわかりませんが、数十とかあると思います。

―― 中間 試作・改良を繰り返すなかで、検証ポイントをどう作っていくか、どのように次の仕様を作っていくか、などのノウハウも溜まっていきますでしょうか。

牧田 それも走りながらでしたね。ブートキャンプの時には、シャープさんのスケジュール、マイルストーンを教えて頂いて、ベースはこうだよっていうのはありました。それでも進めながら「この辺に検証入れようか」、「ここに時間掛かっちゃうから、別の検証をここでやっておこう」など。割とその都度、バラバラだったと思います。

―― 中間 検証は自社内だけでできましたか?

牧田 シャープさんや、シャープの関連工場さんと協力しながら進めました。割とシビアな検証やっていますよね?

金丸 信頼性テストは、tsumugサービスは我々と同じく一般のお客様に提供するものなので、我々メーカーと同じレベルのテストをしていて、トップレベルの検証をしています。

牧田 そういう検証結果のレポートであがってくるのは、『シャープとしては、これは「ナシ」だと思います』っていうのが、あがってきたりします。こちらも自分たちの尺度でみると「アリ」だと思えて、これで出したいと思ったりするんですけど、『んー、わかった!やり直そう』みたいな感じになります。

ブートキャンプにさかのぼるのですが、シャープさんも色んな家電を作ってこられて、事故とかも経験されていて。いくつかの事例も聞かせていただきました。私たちは今、ものづくりベンチャーをやるのに、もしかしたら私たちの製品を使って人が怪我をしてしまうかもしれない、家という資産にも影響がでてしまうかもしれない、最悪の場合、人の命を奪ってしまうかもしれない。ということを、そのブートキャンプで学ばせていただいたんです。やっぱり、そこって間違っちゃいけないなっていうのをすごく思ってまして、なので検証は本当にしっかりやらないといけないですね。

―― 中間 スタートアップからメーカーへの要望として、アーリーアダプター向けで多少壊れても許してくれるお客さんだから、品質基準落としてよ、みたいな話もあるのかと思います。そのあたりメーカーさんとしてどういう風に考えられていますか。

金丸 スタートアップさんにとっては顧客とビジネススキームを考慮して品質基準を作ることが大事だと思います。例えば特定のお客様だけにトライアル的な販売や、壊れたものをすぐ新しいのと取り換えて返しますよ、など色んな顧客に対するスタートアップさんのポリシーとかビジネスモデルに合わせた品質や信頼性の基準が作れると思います。その基準作りを僕らはお手伝いしています。

ただ、製品の安全性については、これは妥協できないと思っています。シャープがモノづくりに関わっている以上、製品の安全性という所については、絶対説得するし、理解してもらいたいことと思ってやっています。

―― 中間 ちなみに、モノづくり以外で、社会実装で一番苦労するポイントはどういったところでしょう。

牧田 新しいモノへの理解ですかね。tsumugもそうでしたが、CESに出展していて、米国でも出しているってことが、日本国内での反応がよくなる、ということは現実にあって。そういった実例や実績がないと、新しいものを新しいと受け入れられないのは寂しいですね。

新しいモノへの理解が社会全体的に拡がるとよいかなと。サービスの中身についても、「そんな、すっとんだモノ」と拒否せず、まずは何でも受け入れてほしい。社会実装については、そのあたりが苦しいところかなと思います。


行政との連携もコミュニケーション

―― 中間 行政のこういう支援があったらこういうことがやりやすいな、という要望ってありますでしょうか。

牧田 色んな自治体さんとお話しさせていただいて、今のシャープさんとの関係とも通じるのですけど、やっぱりそのコミュニケーションのし易さ、相談のし易さみたいなのがあるなと思っています。結局、スタートアップの定義としては、「超ド短期で急成長する事業体」なので、そういう時間軸でサービスを考えようと思うと、たいてい何かしら新しいものだったり、新しいチャレンジをしなきゃいけなかったり、過去に例がなくて基準をどういう風に考えていいのかわかんない、みたいな感じのものが多かったりすると思っています。

そういうケースにおいて、結局は相談し易くて、会話が途切れず一緒にやれる関係性がいいのかなと思います。そういう意味では、今実証を進めている福岡市は、創業特区として福岡市を「起業家の街にするんだ」っていうビジョンを掲げているので、コミュニケーションしやすいです。このようなことで悩んでいてと話すと、「そうなんですかー」って言いながら、次の日には提案持って来てくれたりします。そういった相談のしやすさ、話し掛けやすさがあるとスタートアップとしてはやりやすいです。


シャープがスタートアップを支援する意義

―― 中間 シャープさんとして、スタートアップを支援するしないを、どう決めていますか?

金丸 シャープが儲かるとか、シャープにシナジーがありそうとかを言い始めると、限られたスタートアップとしかお付き合いできません。ですので、基本的に限定せずに、本当にモノづくりが出来るか、モノづくりに必要な費用をお持ちかどうかを基準にしています。

スタートアップさんの支援について、シャープサポートで、スタートアップが大きくなったり、新しいモノが世に出ることが成果だと思っています。未来その先までもスタートアップさんに寄り添って、何年掛かるかわかりませんがシュープの全く新しい事業にシナジーが出ればなお成果が大きくなると考えています。実際、スタートアップさんからシャープに一緒にやりませんかという話しもあって面白いことが起こりそうです。ただ、この活動を長く続けるための最低限の我々の経費をまかなうという意味で、スタートアップさんからサポートの対価をもらってやっています。

―― 中間 シャープさんの社内で否定的意見はでていないのですか?

金丸 社内部門との調整は必要ですね。やはりシャープのノウハウをそのまま出すわけにはいかないので、スタートアップさんに合うもの、必要なものだけ選んで調整して出しています。「イノベーションを起こすために必要」と、会社内でコンセンサスをとってきています。

牧田 ブートキャンプの時にtsumugが参加したのはまだトライアル回だったので、一部の講座の内容が事業部と調整中ということで、「それは話せない」の一点張りで進まなくなってしまったんですね。スタートアップも4~5社ほど参加していて非常に聞きたい内容だったんですが。

そのとき、ブートキャンプの運営側の方が「誰に確認したらいいんですか!」と調整を進めてくださったことで、その内容の講座が実現したんですね。実際に運営する方々の熱量や想いを感じて、作り上げなければという気持ちになりましたね。

―― 中間 最後に、会場のみなさまへひとことお願いします。

金丸 シャープは厳しかった時期から立ち直りつつあります。この時期にインキュベーションを目指すスタートアップさんとやりとりをしてよかったなと思います。シャープは新しいことを目指したトライアルはどんどん進めていこうという会社ですので、是非今後もスタートアップさんとの連携拡大に向けて新しいサポートプログラム創出など色々とやっていきたいと思っています。

牧田 日本のメーカーがこれ以上、海外資本化しないでほしいですね。日本発信で、世界中で使ってもらえるモノを創る会社がどんどん増えていってほしい、と。いい事例になるようにこれからも頑張っていきます。


ソフトとハードの融合に向けた経済産業省政策

Startup Factory構築事業は、ものづくりスタートアップ・エコシステム構築事業として、スタートアップとスタートアップファクトリーの連携事例の創出・試作補助を行っております。創出された事例を調査することで、Startup Factory構築事業にて作成した契約ガイドライン、ケーススタディを更新していくことを予定しています。

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