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【イベントレポート】大企業とスタートアップの両立?副業を通じた自己実現に取り組むロールモデルに会おう!

※本記事は、当団体が制作したWebサイトの掲載記事を再編集後、移設しており、肩書・内容は掲載当時のものとなります。

短期的な転職ではなく中長期的なキャリア形成の場として、スタートアップにチャレンジする人を増やすことを目的に開設されたCareer Academy。2021年8月27日(金)に開催された第2回講義の模様をご紹介します。(前回レポートはこちら

●第2回講義 開催について
Career Academyオムニバス型連続講義の第2回では、「ロールモデルを知る」という切り口から『大企業とスタートアップの両立』という観点で、「副業を通じた自己実現に取り組むロールモデルに会おう」ということで、登壇者3名とモデレーター1名に参加いただきました。

登壇者の紹介

―― 小林 本日のモデレーターを担当します小林駿です。キャリアとしては、新卒入社したコンサルファームの3年目に副業で事業を立ち上げ、最終的には転職・起業。その会社の取締役を4年務めた後、現在は株式会社WARCの執行役員として、副業やお試し転職を支援するプロダクトの事業責任者をしております。このCareer Academy はWARC社としてお手伝いしており、本講義のモデレーターとしてJAFCO様からお声掛けいただきました。

では、本日登壇の3名の方も自己紹介からお願いいたします。

緒方 株式会社YOUTRUSTで広報・PRを務めております緒方祥子です。今回イベントでご一緒しているモデレーターの小林さんは大学の先輩で、縁や繋がりは巡ってくるものだなと実感しています。今年で社会人9年目、本業・副業の職種を変えながら取り組んでいるところがキャリアとしては面白いところかなと思っています。現職のYOUTRUSTは半年間ぐらい副業で参加、カルチャーマッチの体験ができたこともあって今年1月から正社員として勤務しています。本日はよろしくお願いいたします。

今井 今井夏帆です。本業の方ではずっと人事・人材系の職種、転職エージェントの法人営業やキャリアアドバイザーなどに従事し、現在は上場企業で人事を担当しています。副業ではプログラミングスクールの入会のプランナーから始めて、現在は女性のためのキャリアスクールSHElikes内のコースにおいて受講生のキャリアやモチベーションアップのための1on1を行ったり、コースの運営側にも多少携わらせていただいたりしています。本日はよろしくお願いします。

小林(千) 小林千夏です。現在はNTT東日本の社員、『問話デザイン』を屋号としたの個人事業主、Sales No.1 Grand Prix(以下S1グランプリ)を始めとする5つの団体の運営責任者と、複数の顔を持って活動しています。取り組みは多岐にわたりますが、「自分らしく生きるために選択できる力を持つ“きっかけ“となる場を作ること」をミッションとして活動しています。

NTT東日本では人事として、人材育成や組織文化の変革を担っています。新卒で入社以降、営業・営業支援・営業文化の変革・人事と、社内でのミッションが変わるたびに、壁にぶつかりました。その都度、副業を通じて得た経験・スキル・人脈を活用し、乗り越えてきました。いまや私にとって、本業で成果を出すために、副業がなくてはならないものとなっています。やりたいことは全てやり、それぞれの活動からシナジーを生みだし、オンリーワンのポジションを社内外で確立できれば、会社員であっても自分らしく活き活きと働けると考えています。本日はよろしくお願いします。

右上:緒方祥子氏、右下:小林千夏氏、左下:今井夏帆氏、左上:小林駿氏(モデレーター)

テーマ①:副業のモデルケースを知る

副業キャリアの4象限。自分が築いていきたいキャリアにあわせて、色んなパターンで“副業“を活用していく。

―― 小林 自己紹介の段階で三者三様、本業と副業の紹介があること自体が新しいですが、今後はそれが当たり前になっていくのかもしれませんね。

それでは、自己紹介でも触れていただきましたが、テーマ①として、副業を切り口として登壇者の皆さまの事例をモデルケースとして掘り下げていくにあたり、今回はキャリアマッピング(下記図)という概念を使用して整理していきたいと考えています。

縦軸はケイパビリティ、いわゆる『能力的にできる』かどうか、横軸は本業における機会、正社員として務めている中での機会があるかどうかという軸を使って4象限に分けています。これはどこにいるのがゴールではなく、行ったり来たり流動的に流れていくものとイメージしていただけるといいかと思います。

副業キャリアマッピング

―― 小林 4つのうち、右上の象限は本業で十分な状態なので、副業の出番はないと考えられますが、他の3つは副業を検討する余地があるように思います。まず左上の象限、ここは世の中的な副業のイメージに一番合っているかもしれません。ケイパビリティに自信を持っていて、本業では機会が限られるケース。この場合には転職する方もいらっしゃるとは思いますが、転職ではなく副業も選択肢として検討する、ということもあるように思います。

ただ、図の下側のケースでも副業はあり得ます。例えば左下の、未経験でも興味を持った業務があるケース。この場合いきなり転職は厳しいので、副業で始めて適性を図ってみるということもありえそうです。また右下の、本業における機会は十分にある場合、これは小林(千)さんに当てはまるものですが、副業で自信や人脈、経験を積んで本業での活躍機会につなげていくという捉え方もあるようです。

それでは登壇者の皆さまから具体的な事例を伺っていきたいと思います。


📝事例①:ジョブチェンジのためにCanとWillを近づけるための副業

緒方 私の場合は、左下から時計回りに流れていますね。営業から、広報PRへのジョブチェンジをしたいというゴールがありましたので、副業を始めた時、前職では広報・PRは未経験、周囲にもいない状態だったので、最初はプロボノ団体の広報に従事して少しずつ広げていったんです。

その後に今の会社から副業しないかと声を掛けてもらったんですが、元々の打診は広報ではなくケイパビリティのある営業からで。まずは会社のMustと自分のCanが一致しているところから副業を始めました。そこから、徐々に広報PRの業務も徐々に任せてもらえるようになり、自分のCanとWillが近付いていき、会社側にも自分のポジションも作ってもらえました。なので、自信をもって副業を本業へ転職する意思決定ができました。今は本業が楽しく、やらねばならないことが沢山あるので本業に全力、副業は単発で受けるぐらいの状況です。

緒方さんのキャリアマッピング図


📝事例②:本業で使う機会を失ったスキルを外で活かして、「スキルの休眠化」を防ぐ副業

今井 私の場合は、左上から左下へ流れていて、転職エージェントのキャリアアドバイザーとして個人折衝の職種から法人営業へ転職したことがきっかけですね。それまで経験を積んできた対個人とのコミュニケーションスキルを生かしたいと思っていたところに、プログラミングスクールの入会プランナーへのスカウトを頂いて。私の中では「スキルの休眠化」を防ぐというのが副業を始めた目的になりますね。その後、副業と本業の両立、パラレルで働くということをしっかりやっていきたいと考えて今のSHEでの副業を始めました。

本業では人事や組織をテーマにキャリアを積んでいきたいと思っていますが、それとは別に女性をターゲットとしたサービス運営にずっと興味があって。いきなりは難しくても実績を出していくことで業務委託や副業という形でもサービス内容の改善や運営側にも携われる道があると知って、まずは今まで培ってきた対個人のスキルが生かせるところである、SHElikes内のコース受講生の1on1担当から始めて、今では少しずつサービス運営側にも参加させていただくようになりました。

今はまだ、本業への還元には至っていませんが、将来的には副業で得た経験等を還元していければと思っています。

今井さんのキャリアマッピング図


📝事例③:あえて苦手なことを外でやり、外で作った武器や仲間で、本業側を変えていくための副業

小林(千) 私の場合は、右下から始まり、時計回りに右上へと流れていきました。ですが今でも、4象限それぞれに当てはまる副業をバランスよく持っています。目的に合わせて最適化を図るポートフォリオワークの状態ですね。

副業のスタートは右下、「武器を作るため」です。きっかけは、本業で壁にぶつかったことでした。順調に成果を上げていた営業職から、自身のノウハウを展開し売れる営業職を育成するというミッションへと変わったことを機に、全く成果を出せなくなりました。負のスパイラルから抜け出すために、社外でコーチングを学び、学んだことを練習すべく友人知人に向けてコーチングやワークショップを開催。それが、副業を始めるきっかけとなりました。

続いて左下「実験」です。本業にて、売上の底上げだけでなく営業そのものの文化を変えるというミッションに取り組んだのですが、ここでも壁にぶつかりました。“文化“を変えるために固定概念を払拭することは、社内のリソースだけでは難しい。あらゆる業界の営業職のトップを集める場を設け発信することで、社会全体の”営業”に対するイメージを変えられるのではないかと考えたのが、営業職のトップを決める“S1グランプリ”です。過去にイベント運営経験は無かったのですが、実験的な挑戦は、社内より失敗のハードルは低いと思い取り組みました。最初は80人規模から初め、今では1000人規模まで拡大。共感して応援くださるスポンサーがつくまでになりました。

そして、S1グランプリなどの活動を見ていた方から、ファシリテーターやコミュニティ運営の仕事を依頼されるようになり、副業の幅が広がりました。副業で得た経験を、別の副業で活かして広げていったところ、お金だけでなく人脈・経験が溜まっていきました。今は、本業と副業それぞれの特性を活かしてシナジーを生もうとしています。“会社の文化を変える“には、社外の知見が必要。社内を変えたい時にこそ副業は欠かせないものだと思って、それぞれに力を入れて活動しています。

小林さんのキャリアマッピング図


まずは“ギブ”することから始めてみる。誰かに喜んでもらえることの自己肯定感をエネルギー源にして、縁と仕事を拡げていく

小林(千) 皆さん共通するのは人とのご縁から活動を広げているところでしょうか。出会った人をきっかけとして一歩踏み出していると感じました。自分を知ってもらうための発信というよりは、目の前で困っていることの解決策やアイデアの一つとして、誰かの悩みとリンクして発信していくことで仕事に繋がったり、後々に声を掛けていただいたり広がっていく印象です。

今井 そうですね。私はパラレルに興味があるとか、WILLやWANTは発信するようにして周囲の方に今井さんが言っていたな、と想起してもらえるようにすることを心掛けていました。結果、最初の副業もお声掛けいただいたことで始まっていますし、今の副業先も一緒に働いていた方からのご縁で始まっているので、うまく繋がっているなと感じています。

田中 大事ですよね。私自身の変化でいうと、最近TwitterやMessengerをよく使うようになったなと思っていて。タグづけされていたり、ファクトとして伝えておくだけで○○と言えば●●さんとか連絡しやすくなる、繋がりやすくなるのかなと感じています。

副業ってまだまだ禁止の会社や周りに経験者がいない環境も多かったり。そのあたりのハードルは個々で違っていますが、ありのままのやりたいことや悩んでいることを伝えることで手を差し伸べてくれたり、ヒントをくれたりする人が意外と多いのではないかと思うんですよね。

―― 小林 小林(千夏)さんは、右下の副業が入り口になっている点が面白いですね。本業との掛け合わせもうまくできている印象を持ちましたが、きっかけになったことはあるのでしょうか。

小林(千) 上司・育成対象者・その先のお客様、どこを向いて仕事をすればよいかわからず迷走し、自分に対する不甲斐なさでいっぱいになってしまったので、そんな自分を知らない社外の人たちの中で学べる場を持つことにしました。そして外で得た学びや経験のアウトプットを兼ね、役立てる人に対してギブしていく中で「私は目の前の人が、理想の状態に向けて一歩踏み出す瞬間を見たかったんだ」と、モチベーションを感じる原点に立ち返ることができた。そこが副業を始めることになったきっかけですね。どの活動も、この自分の原点や目的を意識することで、掛け合わせしやすくなりました。

緒方 私も最初に副業を始める目的が金銭だったら、絶対続かなかったと思うんです。本業だけでは気づけなかった自分のスキルとかを客観視できるようになったことが大きい。副業がというよりは別のコミュニティを持ったことで自己肯定感も上がったな、と思います。

小林(千) 誰かに喜んでもらえることの自己肯定感はエネルギー源になりますよね。そういう場を常に持っておくことは逃げではなく、楽しみながら走るために必要なチューニングだと思います。副業は、提供する価値・相手・手段、全て自分で選べます。今の自分のままでも、役に立てる人を探せばすぐに価値提供できます。それを見つけることが大切だと思います。

―― 小林 皆さんは人生のミッションやWILL、軸がある印象を受けますが、形成されたきっかけはあったのでしょうか。

緒方 1つ大きなきっかけでいうと夫が海外駐在になる可能性があって。一緒に行くとなるとキャリアの断絶が起きるというライフイベントの変化の可能性が生じたことで、自分のキャリアを考えたのが大きかったですね。

今井 興味や大事にしたいことをその時々で考えた結果として、今も人事系に従事し続けていますが、ただ、流れのままというよりは選択的流動性というんでしょうか。その時々で自分が求められるような価値を提供できるスキルを考え、一定の成果を出し、自分としても楽しいと感じているから今に至っていると思います。そのためこの先も人事系のキャリアを積んでいく道もありますし、何らかきっかけが起こりそれが自分自身のwillと価値発揮できるものであるならば、全く別の道をいく可能性もなくはないと思っています。

小林(千) 出会いの中で次の機会が生まれて数珠繋がりで仕事が広がる一方、なんでもYES!と受けすぎた結果、パンクしそうになった時期がありました。その時に、私は「きっかけの場を作ること」が最も楽しく価値貢献できる役割だと立ち返り、活動の軸が定まりました。振り返ると、私は壁にぶつかって何かが見えるタイプなのかもしれませんね。


テーマ②:タイプ別 副業の始め方とリアルな実態

大前提として本業は怠らない。副業先へは稼働ではなく、提供価値でコミットして、信頼関係を構築していく

―― 小林 それではテーマ②に移ります。現実的なところ副業を始めるにはハードルが高い状況ですよね。

そこをどう乗り越えたのか、周囲にはどう話をしていったのかなどについて、いただいた質問を抜粋しながら皆さまに伺っていきたいと思います。


Q.時間配分、リソースコントロールについて

今井 私は曜日で分けています。平日は本業で時間を取れないんですが、休みは休みでとってメリハリはつけたいので、日曜の10時から15時とか1つの曜日で時間帯を決めて集中してやっています。

緒方 元の職場では時間の融通が利いたので土日含め週15時間ぐらい副業で稼働していました。多い方だと思うんですが、まだ時間が足りないと思うようになって結果、転職をしました。コミットするラインとして時間の切り分けが難しい方は転職するというのもありなんではと思いますね。

小林(千) 定期的なMTGは平日の8時〜9時や日曜午前中で固定をしていて、基本は本業の業務時間外で行っています。ただ今の部署は、フルフレックス・フルリモート・時間休を使える、融通の効く職場環境なので、両立はしやすいです。会社に応援してもらいたいので、会社の勤務時間に副業をすることはありません。そこは、信頼を築くためにも徹底しています。

Q.副業をするにあたってのマイルール

小林(千) 1つは時間・稼働で仕事をしないということ。週に●時間コミットしてほしい。という依頼はお断りしています。過去作ったコンテンツを活用できるか、資産として残るか、他の副業や本業に転用できる経験か等、稼働をかけずに価値提供できるかどうか。そして、本業が優先というこちらのスタンスを理解し許容いただける相手かどうかで仕事を選択しています。

もう1つは仲間と一緒にチームで取り組む仕事の比重を増やすこと。個人事業主として1人で進めていた時は本業が忙しいと副業の案件が止まってしまいましたが、仲間・チームで動いていればフォローしあって進められます。極力、1人でできる仕事から仲間で取り組めるできる仕事へとフォーカスを広げています。

緒方 まずは本業を怠らないことですね。副業のために手を抜いていると思われたら終わりですし、会社に対してだけでなく、自分の中長期的なレピュテーション、仕事をするにあたっての信頼にも関わってきますよね。そして副業先でも怠らないこと。本業が忙しくなって今週稼働できない、そういうことは起こり得ると思うんですが、コミュニケーションを事前にとっておく、副業先に不安を与えない配慮があると信頼につながります。本業・副業のどの瞬間も全力にやることですね。

今井 同じく本業を怠らないことと、今、副業先には業務委託として契約していますが、業務委託だからという線引きをしないということですね。仕事内容が決まっていてもチームのメンバーとして自分の業務範囲外のことであっても気づいたことがあったら伝える、漏れていそうなことはフォローすることを意識してやっていますね。業務委託=プロとして参加していますので、細かいところは言わなくてもよしなにやってくれる、便利な人でありたいと思っています。


Q.副業を始めるにあたって、本業先に対して行ったアクション

小林(千) 昔から兼業農家などを認めるための兼業制度はあったのですが、業務委託や事業創出などの副業事例は殆どありませんでした。突然申請してもハレーションを起こすと考え、まずはお金をいただかない“プロボノ“と言う形で1年ほど申請せずに活動していました。そして、経験を本業に還元しながら社外での活動を社内に発信しました。例えば、キャリアを考えるワークショップを社内向けに開催、営業の大会S1グランプリのコンテンツを社内で開催するなど。そうすることで、社外活動を応援いただける土壌を作りました。

申請時は、①なぜやりたいのか②やることのメリットは何か③副業経験を本業にどう活かすかの3点をレポートにまとめ、関係者に説明をして回ったことで、誰一人反対することなく、応援いただける状態で始めることができました。応援が嬉しくて、私の中での会社のロイヤリティも上がり、より会社に貢献していこうと思いましたね。

緒方 私は広報・PRをなぜやりたいのかを会社に説明できるほどの明確な理由がその時はなかったので、事前申請が不要なプロボノを選びました。結果、プロボノの経験を通じてもっと極めたいという理由、既成事実ができ、副業としてやってみたいと上司に正式に申請したという経緯でした。やりたいこと・目的が語れるかどうかが大事だと思いますね。

―― 小林 副業となると本業の規則次第になりますよね。ただ、無給や本業に影響がない、ボランティアやプロボノであれば制限がないところがほとんどだと思いますので、まずはギブすることから始めて、既成事実を作るというのもアクションの一つということですね。


副業ができる人=特別な人ではない、特別ではない人こそ副業を通じて今の自分がどんな価値を提供できるか知ってほしい

小林(千) 今、イベント視聴者から「副業は特別な人がやること」というコメントがあったのですが、決してそんなことはないと思います。本日の登壇者も、ゴールだけ見れば意識高く凄いことをやっていると思われた方もいるかもしれませんが、紐解くと、決してそれぞれが特別な人ではなかったということを感じていただけたら嬉しいです。

佐藤 30代になるとマネジメント職に就かなければという強迫観念があったりしませんか。ただ、本業ではその機会に色んな理由で恵まれないこともある。けれど別の環境で擬似的に経験することは実はできると思うんです。例えば、小学校の野球のコーチとかも昔からある副業だと思うんです。お門違いだとか思わず、今まで経験してきたことを棚卸しして、できるかもしれないことを見つけてみることから始める、でいいのではないでしょうか。

小林(千) いわゆる社内競争の勝負から外れることができたのは、副業をやってよかったと思う大きなメリットの1つです。副業を通じて多様な経験を掛け合わせていくことで、オンリーワンで希少性の高い存在になってきているという実感があります。自分にとってどれだけ面白いキャリアを作っていけるかが重要なので、凄い人だから副業をやるのではなく、それぞれがが楽しみながら価値提供できる場所を探すことが大切だと思います。

―― 小林 自分の経験や得意なこと、好きなことを振り返って、まずはできることから始めてみる。実績を積んでいくことで、軸ができて縁ができて、また振り返ってと続いていくんでしょうね。


Q.副業が認められていない会社で起業し、起業先へシフトしていくプロセスについて

―― 小林 これは、私の場合を参考までにお話させていただきます。

まずは当時就業していた会社の就業規則を読んで、登記上の役員ではなく、かつ無給であれば大丈夫と確認しました。それこそプロボノは勧められていたので最初の3−4ヶ月は無給で業務時間外に活動し、大型の契約が取れそうという実績が出てくる段階で登記をすることとなり、会社にも届けて退職したという経緯になります。


Q.高単価の案件をどう作っていけるのか、リファラルの流入経路などについて

緒方 高単価をどう捉えるかだとは思いますが、自分の市場価値を把握して算出すること、自分の近い人から声を掛けていくことでしょうか。ご自身の時給単価を上げていくのであれば、希少性やその人にしかできないことであればあるほど単価は上がっていくのかなと思います。また、関係性がある相手だと、単価の交渉ができることも含めて安心感もありますね。手前味噌ですが、YOUTRUSTのサービスでは“つながりのつながり”を活かした採用ができる仕組みになっているので、そういうサービスを使ってみるのも1つでしょうか。

あとは、オンライン・オフライン問わず、自己開示力というのも大事なのかなと思います。個人的な意見かもしれませんが、検索して何も出てこない全く知らない人に頼むのは不安じゃないですか。

小林(千) 多少でも発信していれば、普段何を大切にしている人なのか事前に分かった上で関われるので、安心感がありますよね。また、何でもやります!という姿勢で臨むと疲弊してしまうので、自分がやってみたいことや、労力かけずに価値貢献できることを前提に、何か手伝えることがないかな?という気持ちで人と会うことを意識していけば、自然とチャンスが巡ってくるのではないかなと思います。

今井 企業の人事としての立場、仕事をお願いする立場からしても、「なんでもやります」ではなくやりたいこと、自分がやりたいと思えてかつ価値を出せるところ、SHEだとそれを『最高価値」と呼んでいたりもするのですが、それが何なのかを自分で見つけて発信することが大事だと思います。

小林(千) 自分の好きなこと、得意なことを言葉にするって大事ですよね。それはがむしゃらに活動するだけでは難しいので、今回のCareer Academyのような自分と向き合って経験を棚卸し、アドバイスをもらう場を設けることは効果的だと思います。副業の一歩目としてプロボノをお勧めしましたが、まずはこういう講義やセミナーなどの場に参加することから始めるのも一つのきっかけとしていいなと思いました。

―― 小林 それでは本日の講義を終了いたします。誠にありがとうございました。


今後のCareer Academyについて

Career Academyは月に2回の頻度で開催しています。今回は副業でしたが、次回は『自分は本当に活躍できるの?大企業からスタートアップへの転職のリアル』というタイトルで、転職をテーマに大企業からスタートアップへ転職し、活躍されている方に登壇いただきました。(記事はこちら

また、短期ではなく中長期での活動として、キャリアについて立ち止まり、考える機会となることを目指し、アカデミー受講者の皆さまには、『❶キャリア講座』『❷キャリアメンターとのキャリア壁打ち・副業など実務経験機会』『❸スタートアップスクール(Off-JT)』を提供、キャリア形成を自分事にしていただくことをご支援させていただきます。


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